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天野 光
Proc. of the 4th Int. Seminor of Liquid Scintillation Analysis, p.236 - 245, 1991/00
Sr-90は核分裂生成物の中でも長半減期であり、体内に取りこまれると長期間保持され内部被曝線量も大きいので重要な核種である。自然環境中に存在するSr-90について、従来の発煙硝酸を用いた煩雑な分析法のかわりに、陽イオン交換樹脂による化学分離と液体シンチレーション計測法(LSC法)を用いた簡便で精度の高い分析法を開発した。本分析法では、環境試料中にSr-89が含まれていても、線のエネルギー弁別によりLSC法による1回測定でSr-89、Sr-90それぞれ弁別定量できる。本分析法の欠点は、Y-90のミルキングにより定量する方法と異なり、Sr-90濃縮液が水溶液の形で保存できないことである。本分析法を用いて、東海村における大気中のSr-90濃度及びSr-90エアロゾルの粒径分析を測定した結果について報告する。粒径分布の測定結果から呼吸による内部被曝線量評価に不可欠な空気力学的放射能中央径(AMAD)を求めた。
天野 光
Proc. of the 4th Int. Seminor of Liquid Scintillation Analysis, p.185 - 209, 1991/00
天然放射性核種であるRnとその直接の親核種であるRaは地球化学的研究に有用なトレーサーである。またRnとその娘核種は。近年保健物理的観点から精力的に研究が行われている。極低レベル水中Ra・Rnび空気中Rnの液体シンチレーション計測法(LSC法)について、水及び空気試料の採取から放射能測定にわたって、実際的な観点から簡便で精度の高い手法を検討した。水中Rnはトルエンシンチレータ抽出により、空気中Rnはトルエンシンチレータを対象空気でバブリングすることにより抽出した。放射能測定に関して、1.積分計数法、2.パメス遅延コインシデンス法、3.効率トレーサ法について検討した。その結果、簡便さでは1の方法が優れていたが、2の方法でLSCによる線の入力窓を工夫し長時間測定(~1500分)でバックグラウンド計数率0.01cpmで環境試料中Ra・Rnの極低レベル測定が可能であった。